SEASONS
頭の中で色んな考えがぐるぐる回ってどうしようかと思っていたら、回された腕がふっと緩んだ。


密着していた体の間に空気が流れる。


涙を拭うこともしないで無意識に顔を上げると、いつものふわりとした笑顔に見つめられた。


恥ずかしい気持ちもあるのに、その笑顔にほっとしてる自分もいて……自分で自分がわからない。


背中から離れた傷のない方の手で頬を包まれ、親指でそっと涙を拭われた。

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