SEASONS
キーンコーンカーンコーン


「!!」


まるで魔法が解けたようにパッと目を開けると、あと数センチというところまで近づいていたアイツの顔が視界いっぱいに飛び込んで来た。



反射的に顔を背け、胸に腕をついて押し返すと、

「……流されとけよ、そこは」

軽く舌打ちを混じらせて残念そうに、だけど笑顔で言ったアイツ。



ふわりとしたいつもの笑顔。

だけどさっきは違って見えた。


さっきのは……一体何だったんだろう。



「今、キスしてもいいと思ったでしょ?」

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