SEASONS
「おっ、おも、思ってないっ!」

ニヤリとされて思わず声が大きくなる。


「はいはい」

「思ってないってば!!」

「さっきのチャイム、下校のチャイムでしょ? 俺、今日は先に帰るけどいい?」

「か、帰ればっ!」


「じゃ、お先」

あたしの髪を一撫でして、ドアの近くに転がっていたカバンを持ち上げると、アイツは図書室を後にした。

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