SEASONS

教室の窓からは裏庭が見渡せる。


視線の先には、すっかり包帯の取れた手で吹奏楽部の彼女に触れるアイツの姿。



……たまたま、外を見た時に視界に入っただけ。



「彩? どうしたの?」

「ん? 何でもなーい」


視線を教室の中に戻すと、優香子がニヤリと笑っていた。


「な、何……?」


「徳永くん、見てたでしょ?」

「ちっ、違うし……」

「隠さなくてもいいよー」


「違うってば」

< 75 / 304 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop