SEASONS
「お疲れ様です」
文芸コーナーにいた福嶋さんを見つけて声をかけた。
「お疲れ。あ……ごめん、ちょっとだけ待っててもらっていい? 先に事務所戻ってて」
「はい」
事務所に戻ってエプロンをロッカーに仕舞っていたら福嶋さんが入って来た。
「大丈夫ですか? 何かタイミング悪く声かけちゃったみたいで……」
「気にしなくていいよ」
福嶋さんは少し離れた自分のロッカーからカバンを取り出して中を探った。