いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
春奈と別れたあと教室に戻り、残りわずかなお昼休憩を利用して、次の数学の宿題を広げた。

昨日、久世玲人の一件で、全く勉強ができていない。出されていた宿題にも全く手をつけていなかった。


うんうんと唸りながら手を進めていると、隣の席に佐山君が座った。


「原田さん、宿題やってないの?」

「うん、昨日ちょっと忙しくてさ…」

ハハッと照れながら答えると、佐山君はどれどれといった感じで宿題のノートを覗き込んできた。


ち、近い…。

恥ずかしくて少し身構えていると、佐山君はこちらに顔を上げた。


「俺の、写す?」

「え!?いいの!?」

「ああ、特別に」

そうイタズラに笑った佐山君に、胸がキューンと締め付けられる。


< 116 / 446 >

この作品をシェア

pagetop