いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「席替えしたからね。久世君、学校来ないから分かんないか」

そうイヤミを込めながら、あそこだよ、と後ろを指差して教えてあげた。

昨日のこともあってか、久世君に対する恐ろしさはもうほとんどない。


「菜都はここ?」

「うん、そうだけど…」

それが何か?という顔を向けると、久世玲人はチラッと隣の佐山君を見ながら、「ふーん…」と小さく呟き、再びこちらに向いた。


「それより菜都、シャツは?」

「え?」

「昨日、お前んちに置いて帰ったろ」


久世玲人のその言葉に、クラス中がどよめいた。

「シャツを置いて帰った…!?」「お泊り!?」という声が、ザワザワとここまで聞こえてくる。


ちょっ…!!

な、何言ってんのよ久世玲人ーーっ!!!!

どうしてコイツはそんな誤解を招くような発言ばかりするのよっ!!


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