いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「玲人、相変わらずお前評判悪いな」

「るせぇ」

ケラケラと笑いながら言う健司に、久世玲人は冷たく返している。


「あ、あの…!!久世君!!違うんです…!!」

「私たち、てっきり原田さんが困ってるのかと思って!!」

「ああいう風に言えば、原田さんも諦めつくかと思って…!!」


えぇ!?私のせいになってる!?あそこまで言っときながら!?

彼女たちの言葉に唖然としているが、当の久世玲人は一切無視しながら健司たちに向いた。


「帰るぞ」

その言葉に健司たち3人も「帰るか~」と久世玲人のあとをついて行った。


てっきり、彼女たちに何か言うのかと思ったけど…。

気にしてないのかな…?怒るのもムダとか思ってるのかな…?


彼らの後姿を見ながらそんなことを考えていると、久世玲人がくるっとこちらに振り返った。


「何してんだ菜都、帰るぞ」

「…え?あ、うん…」

少しビックリしたけど、ここに彼女たちと一緒に残されるのもイヤなので、久世玲人のあとを走って追った。
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