いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「えっ!?何っ!?」

「菜都、ちょっと来い」

「ちょっとって、どこに!?」

「いいから」

腕を掴んだまま、久世玲人は私を教室から連れ出そうとする。



「久世、原田さん困ってるだろ。離せよ」

佐山君の言葉にも久世玲人は一瞥しただけで、シカトを決め込んでいる。相当嫌いみたいだ。


そんな久世玲人の態度に「おいっ…!!」と、佐山君は少し声を荒げた。


「さ、佐山君!!いいのいいの!!大丈夫!!」


もうこれ以上モメごとはイヤだ!

私がおとなしく付いて行って丸く収まるのであれば、それが最善だ。



焦りながら、大丈夫だとアピールする私を佐山君は心配そうに見つめてくる。



……ありがとう、佐山君!!その気持ちだけで私は十分だよ!!
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