いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
私を困らせて楽しんてるの!?

もしそうだったら、かなりタチが悪い!!

イライラしながら隣の久世玲人を見上げると、久世玲人も私を睨むように見おろしてくる。


うっ…。こ、こわくないもんね…。

と思いつつも、ソロリと視線を外す私に、久世玲人は「はぁ…」と小さく息を吐いた。


「なんか、妙にイラついた。菜都は勝手に屋上から消えるし、教室戻ってみればあの爽やか野郎と仲良くしてるし」


え、何その拗ねた感じは。久世玲人がイラつく要素がどこにある?


「何?勝手に帰ったから怒ってたの?」

「それは…怒ってない。むしろ…」

「むしろ?」

いつものキャラじゃない久世玲人に怪訝に聞き返すと、今度は久世玲人が視線を外した。


「……いや、いい」


そして、盛大なため息とともに歩いていた足を止め、向きを変えた。


「教室、戻る?」

「は?」

何っ!?

一体何だったんだっ!?

やっぱり最近の久世玲人はおかしいっ!!



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