いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
こんな状況なので、唯一安らげる時間が授業中となっている。皮肉なもんだ。
穏やかに授業を受け、午後の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ったと同時に、「はあ…」と小さくため息を吐いた。
また今日も久世玲人と一緒に帰るんだろうな…。
それでも拒否できない自分に呆れながら授業道具を片付けていたとき、隣の佐山君が話しかけてきた。
「原田さん、今日これからヒマ?」
「え?」
「いや、あのさ、図書館でクラスの連中とテストに向けて一緒に勉強しようって話しになっててさ。原田さんもよかったらどうかな」
爽やかな笑顔で誘ってくれる佐山君に、思わず身を乗り出した。
こういう、学生らしい普通の学校生活が送りたいのよ…!!
「い、行きたい!」
即答した瞬間、ハッと久世玲人の顔が浮かんだ。
今日も「帰るぞ」とか言って、無理やり連れて行かれるかもしれない…。
でも、たまには断ってもいいよね…?用事があるからって言えば、久世玲人も分かってくれるだろう。
それに、久世玲人も私と帰りたいから声をかけてくるわけじゃないと思う。「彼氏」を少し演じなければ、という意識がわいただけだ。
穏やかに授業を受け、午後の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ったと同時に、「はあ…」と小さくため息を吐いた。
また今日も久世玲人と一緒に帰るんだろうな…。
それでも拒否できない自分に呆れながら授業道具を片付けていたとき、隣の佐山君が話しかけてきた。
「原田さん、今日これからヒマ?」
「え?」
「いや、あのさ、図書館でクラスの連中とテストに向けて一緒に勉強しようって話しになっててさ。原田さんもよかったらどうかな」
爽やかな笑顔で誘ってくれる佐山君に、思わず身を乗り出した。
こういう、学生らしい普通の学校生活が送りたいのよ…!!
「い、行きたい!」
即答した瞬間、ハッと久世玲人の顔が浮かんだ。
今日も「帰るぞ」とか言って、無理やり連れて行かれるかもしれない…。
でも、たまには断ってもいいよね…?用事があるからって言えば、久世玲人も分かってくれるだろう。
それに、久世玲人も私と帰りたいから声をかけてくるわけじゃないと思う。「彼氏」を少し演じなければ、という意識がわいただけだ。