いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「前から思ってたんだけど、……久世と付き合うのはどうかと思う」

「え…、佐山君?」

「原田さんのこと、ずっと前から見てきてたけど、久世のこと好きだったとは思えないし」


佐山君…。

今、ずっと前から見てきたってサラリとすごいこと言わなかった…?

驚きのまま佐山君を凝視していると、少し視線を外されながら佐山君は続けて言った。


「今言うつもりなんてなかったけど…、もう我慢、できなくて」

「え?」

「俺さ、実は1年の時から、ずっと…」

少し顔を赤くしながら、言いにくそうにする佐山君に、「ずっと?何?」と首を傾げた。


何だろう…?でも、言いづらいことを言われようとしてるのは確かだ。

あまり、よくないこと…?


緊張して、黙ったまま佐山君の続きの言葉を待っていると、二人の間に、スーッと黒い影が邪魔をしてきた。


……イやな予感がする。



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