いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「あのさ、久世君。佐山君たちと一緒に勉強しに行こうかと思って…。今日は別でもいいかな?」

機嫌が悪い久世玲人に、恐る恐る尋ねてみた。


「ダメだ」

「ええ!?何で!?」

考える素振りも見せず、一蹴されてしまった。


「帰るぞ」

そう言いながら私の手を引き、早くもこの教室から去ろうとしている。


……こりゃダメだ。

こうも強引になってしまった久世玲人には、何を言っても聞きゃしない。


「…ごめんね、佐山君。せっかく誘ってくれたのに…」

久世玲人を振り切ってまで勉強に行く勇気が私にはない。

申し訳ない気持ちで謝ると、佐山君は真顔のまま私と久世玲人を見て答えた。


「原田さん、……また連絡するから」

「え?…あ、うん」


おそらく、さっき言えなかった続きかもしれない。

連絡してまで伝えようとするなんて、結構重要なことなんだろうか…。

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