いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
そして、久世玲人の機嫌は直らないまま、学校をあとにした。

2人で歩いているけど、ここにはなんとも言えない空気が漂っている。

さっきまで爆睡してたというのに、なんて機嫌の悪さだ。悪い夢でも見たんだろうか。


それにしても、佐山君たちとの勉強も許してくれないとは…。そんなに私にいやがらせしたいほど、虫の居所が悪いのだろうか。


無言のまま歩いていると、久世玲人の方から口を開いた。


「……アイツと仲いいのか?」

「アイツ?……佐山君のこと?」

「名前は知らねえけど」


クラスメイトの名前くらい覚えようよ…。

でも、きっと「アイツ」とは佐山君のことを言ってるのだと思う。





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