いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「仲いいっていうか…。1年の時も同じクラスだったし、今も隣の席だからよく話すだけで…」

実は憧れている、なんて言えない。

「よく連絡取り合ってんのか?」

「ううん、何で?」

「……また、連絡するって」

「ああ、さっき話しの途中だったからかな?連絡先は知ってるけど、一度も取り合ったことはないし」

話しの流れで連絡先を交換したけど、私から連絡する勇気なんてない。佐山君からくれたこともないし。

淡々と答える私を、久世玲人は面白くなさそうに見てくる。


「何でアイツには教えて、俺には教えない」

「え?何を?」

「携帯」


……ええっ!?連絡先のこと!?

教えないもなにも…

「だって、聞かれてないし…」

わざわざ自分から聞こうなんて思わないし。


久世玲人は仏頂面のまま、私を見おろしてくる。

そんなに機嫌悪くしなくても…。

「……じゃあ、する?」

携帯を取り出しながら聞くと、久世玲人の足がピタリと止まった。
< 157 / 446 >

この作品をシェア

pagetop