いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
久世玲人の行動に、かなり動揺させられていた。

私のこと、彼女とか言ったよね…!?

でも、こんなこと考えなくても完全にウソだと分かる。だって、久世玲人とは同じクラスでもないし、これまで一度も接触したことがない。向こうは地味で平凡な私のことなんて、知るはずもない。


「な、なかったことにしよう…」

これ以上騒いでコトを大きくさせたくない…。自分が黙っていればいいことだ。


久世玲人は、あの子の告白を断るために、偶然通りかかった私を彼女ということにして、逃げたんだ。

そうとしか考えられない。

幸い、あの場には私たちしかいなかった。


よし……誰にも言わないで、黙っていよう…。運が悪かっただけだ…。


そう自分に言い聞かせてなかったことにしようとしたけど、その数週間後、大変な事態へと発展することになった…。

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