いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
『菜都、何言ってんの!?それって、デートに決まってんじゃない!!』

「あはは。まさかー」

『菜都っ!!』

ぅわっ!!

興奮どころか、まるで怒ってるかのような声にビビッてしまった。


「まさか、そんなことないよ…」

『間違いないわ!デートよ!!』

「……え?そう…なの?」

『そうに決まってる!!』

確信するような春奈の言葉に、私もだんだん自信がなくなってくる。

ホントに、デートなの…?まじ?



考え込んで言葉に詰まっている私に、春奈は続けて言う。

『菜都、明日どんな格好で行くつもり?』

「え?動きやすいように、ジーンズとTシャツでいいかなって…」

『ダメよ!!そんな可愛げのない格好!!』


春奈の中ではもうすっかり「デート」になってしまってるので、私の自覚のなさをこんこんと説教してくる。


そして、それから約2時間、女としての嗜みを延々とレクチャーされながら、春奈との電話を切った。




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