いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
きっと久世玲人にとっては、手を繋ぐことなんて本当に何も思わないんだろうな。

いつまでも気にしてもしょうがないので、気を取り直して、久世玲人に話し掛けた。


「ねぇ、久世君。今日は何するの?」

一体何を手伝わされるんだろうか。

昨日一晩考えて、やはりデートなんて絶対ありえないと結論づけていた。

遅刻しちゃったお詫びに、パシリをつとめあげてみせるよ!


そう心の中で気合を入れていると、久世玲人は「どうすっかな…」と考えている様子だった。



「まぁ、何でも言ってよ。頑張って手伝うからさ」

「……手伝う?」


キョトンとしながら久世玲人が私に聞き返したところで、電車は目的の駅に到着した。
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