いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
どこでお昼ごはんを食べようかと、2人で街を歩いた。

繁華街、しかも土曜日とあって街は人で溢れている。どこのお店も混雑してそうだ。

「人がいっぱいだね…」

「そうだな」

この人ごみの中を歩くだけでグッタリするので、もうファミレスとかでいいんじゃないかと考えていると、前方にどこかで見た覚えのあるお店が見えた。

あのお店知ってる…?

思い出そうと、じーっと凝視した。


「……あ!」

突然声を上げた私に、久世玲人が「何だ?」と不思議そうに声をかけてきた。


「あのカフェ!雑誌に載ってて、春奈と行きたいねって話してたんだよね!」

「ふーん」


そうだそうだ。

オムライスが美味しいカフェって特集されてたんだよね。行きたいなー。

もともと人気のカフェだけど、雑誌に載ったせいかとても混雑している。



「……行ってもいい?」

久世玲人におまかせするって言っときながら、早速揺らいでしまった。

しかも、この大混雑でお許しがでるとも思えないけど、ダメもとでお願いだ。


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