いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「偶然だね、原田さん。今日はどうしたの?」

「え!?あ、うん!ちょっとね…」

「友達と一緒?」

「う、うん…。今、ちょっと別行動してて…」


まさか久世玲人と一緒だとは言えない。色々と突っ込まれる前に焦りながら話し掛けた。



「佐山君は!?1人!?」

「いや、俺もクラスの連中と来ててさ」

何!?他にも潜んでいるの!?

この街、危険すぎる!!

声は上げないものの、かなり驚いている表情をしているみたいで、佐山君は私を見ながら、「ビックリだね」と笑っている。


早くこの街から出なければ!!

佐山君が目の前にいるというのにそんなことを考えていると、「ねえ、原田さん」と、佐山君が続けて話し掛けてきた。


「良かったら、一緒に行動しない?」

「……え?」

「だって、こんな所で偶然会うってすごいし、……嬉しくて」

え?ええっ!?

い、一緒にっ!?

佐山君の言葉に、またまたギョッとしてしまった。


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