いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
周辺をあちこち探してみたけど、久世玲人の姿はやはり見当たらなかった。

マジで帰ったのかな…。

いや、でも最近の優しい久世玲人を思ったら、勝手に帰らないような気もする…。


そうだ、とりあえずもといた場所に戻ってみよう!久世玲人も同じこと考えているかもしれない!

そう思って、再び足を進めようとしたところで、後ろから、もの凄い力でギュッと誰かに腕を掴まれた。


「え!?何っ!?」

ビックリして振り返ると、そこには探していた張本人、久世玲人。


「久世君!」

「てめっ…!!」


久世玲人は私の腕を掴んだまま、すごい眼力で睨んでくる。

「ごごごごめん…!!」

焦りすぎて言葉にならない謝罪をすると、久世玲人は「はあーっ」と盛大な息を吐いた。


よく見ると、全力疾走したのかってくらいゼエゼエと肩で息をしており、額には汗が噴き出している。


……もしかしたら、久世玲人も私を探してたのかもしれない…。

心配、かけてた…?

< 189 / 446 >

この作品をシェア

pagetop