いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「怪しい…。まぁ、でも久世君カッコいいからドキドキするのも分かるけど…」

「だ、だから、してないってば…」

「気をつけなよ、菜都。このまま本気になっちゃったら、辛い思いをするだけなんだからね!適度に楽しむだけにしとくのよ!」

「うん、分かってる…」

そうだ。春奈の言うとおりだ。

私は即席の彼女にすぎない。

久世玲人を煩わせないようにしなければいけない。彼女の役目がいつ解消されるか分からないのに、本気になれるもんですか…。


ドキドキしてる場合じゃないよ…。

気合、入れなおさなきゃ!


「よし!」

「え?何!?」

突然声を上げ、怪訝そうに見てくる春奈に、「なんでもないよ」と笑みを返した。


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