いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
どうにか逃げる隙はないかと様子を伺っていると、彼らは顔を上げている私をまじまじと見てくる。

「……結構上玉じゃん」

「久世もやるねぇ」


上玉って……私って、不良受けする顔なんだろうか…。

こんな状況で意外な発見だけど、それを喜ぶ気持ちも余裕もない。とにかく、今は逃げることだけ考えないと。


彼らを刺激しないように、大人しくしていた。


「どうやって久世を落とした?あいつ、校内の女には絶対手ぇ出さなかったのに」

「久世がハマるなんて、すげぇんだろうな」

「俺も相手してよー」

一層ニヤニヤと下品に言い放つ彼らに、鳥肌が立ってきた。


やばい…!!

逃げないと、……狩られる!!


大人しく様子を伺っている場合じゃない!!

ダッ!!と猛ダッシュで彼らから逃げようと、掴まれている肩と顎を振り払った。

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