いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
肝心なことは何も伝えられないまま捕まってしまい、ずるずると無理やり引きずられながら、再び校舎裏へと連れて行かれた。

「こいつ、逃げ足速ぇな」

そう言いながら、取り上げられた携帯は後ろに投げ捨てられた。


ああっ!!最後の頼みの綱が…!!

しかも、私場所も伝えず「どうしよ」しか言ってない!!なんてバカなのっ!!


こんな時にまで自分のダメっぷりを発揮している中、彼らは楽しそうに私を追い込んでくる。


「さぁて、鬼ごっこも終わったことだし、そろそろ楽しもっか」

その笑みに寒気を感じていると、1人の男子生徒が私の体を校舎のコンクリート壁にドンッと押し付けた。


「は、離してっ…!!」

「いいねーその抵抗っぷり」

どうにか逃げようともがいてみるけど、両手首を強く押さえ込まれ身動きができない。

いよいよ本気でやばくなってきたっ!!


「ヤッてみたかったんだよねー、久世の女」

そんなおぞましい言葉を吐かれ、恐怖で震えてしまう。

怯えている私の反応が彼らにも伝わっているみたいで、より一層ニヤニヤと笑みが増した。

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