いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
おそらく、彼らの本当の狙いは私ではなく、久世玲人。

最凶という称号を得ている久世玲人が、彼らにとっては気に入らない存在でしかないんだと思う。

何らかの形で久世玲人を貶めたいのだろう。

私は、たまたまいいカモがいただけにすぎない。


本当に最低な奴らっ…!!


「こんなことでしか久世君に手が出せないなんて最っ低!!この腰抜けっ!!」

卑怯なやり方にカッとなって思わず言い放つと、ニヤついていた彼らの顔が変わった。


「……さすが久世の彼女。超生意気」

「あんたたちなんかと久世君は全然…!!」

「ちょっと黙ろうか」

まだ声を上げて食ってかかる私の口を押さえ込んで塞いできた。


「ん…っ!!」

「久世の彼女だから、特別に可愛がってやるよ」


そう言いながら、私の上に乗っている男が制服に手をかけ、力任せにボタンを引きちぎった。さらに、足を押えている男がスカートに手をかけている。


ヤダヤダっっ!!どうしようっ!!

手も足も押さえ込まれ、完全に逃げられない!!!


……久世君っ!!


やはり心の中に浮かぶのは久世玲人の顔。声にならない叫びで、彼の名前を呼んでいた。

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