いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「すげぇ、キレイな肌だねー」

胸元まで制服のシャツがはだけ、さらけ出している素肌に、男の気持ち悪い顔と手がどんどん近づいてきている。


やだっ…!!もうムリっ…!!

せめて視界に入らないようにギュウッと目を瞑った。溢れた涙がこめかみを伝っているのを感じる。


全身鳥肌が立ち、いやな汗を流しながら男の行動を待ち構えていたその時、突然、ドカッ!!という衝撃音とともに足を押さえている男の気配が消えた。


「何だっ!?」と男たちも私への手を止めている。


何…?今度は何が起こったの…?

その様子に恐る恐る目を開けると、そこには、うずくまって倒れている男の姿、そして―――。



男達を睨み付けている、久世玲人の姿があった。



久世君っ!!

と、呼びたいところだけど、口を押さえ込まれているので声が出ない。

涙でぐちゃぐちゃになっている目で助けを訴えると、久世玲人は私の状態を目で追っているようだった。


男が馬乗りになっている姿、手首と口を押さえつけられている姿、そして、はだけた胸元。さらに、涙を流している私の顔。


一通り確認すると、久世玲人は今まで見たことがないほどに、冷ややかな恐ろしい目つきで男達を見据えた。

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