いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「…久世、お前の女、これから頂くとこだったのによ」
馬乗りになっている男が、ニヤつきながら言い放った。しかし、動揺しているのか先ほどより声に余裕が感じられない。
そんな男の様子を、久世玲人は無言のまま冷酷なまでの視線で見下ろしている。
「久世、せっかくならお前も一緒に…」
「どけ」
その言葉は最後まで吐き出されないまま、久世玲人は男の脇腹を蹴り上げた。私があんなに抵抗してもビクともしなかった体が、簡単に吹っ飛ぶ。
お、恐ろしい…。
流れていた涙はピタリと止まった。
そして久世玲人は、手首と口を押えている男を一瞥した。
無表情さがより一層恐ろしく感じられる。
その視線だけでビビッたのか、男は私を掴む手をパッと離した。
「ま、待て久世…、まだ何も…」
そう言い訳しながら後ずさりする男に、久世玲人は再び足を上げた。
視界に入れるのが恐くて思わず目を瞑ると、ドサッ!!と地面に倒れる音だけが聞こえてきた。
……久世玲人が何をしたのか容易に想像つく。
馬乗りになっている男が、ニヤつきながら言い放った。しかし、動揺しているのか先ほどより声に余裕が感じられない。
そんな男の様子を、久世玲人は無言のまま冷酷なまでの視線で見下ろしている。
「久世、せっかくならお前も一緒に…」
「どけ」
その言葉は最後まで吐き出されないまま、久世玲人は男の脇腹を蹴り上げた。私があんなに抵抗してもビクともしなかった体が、簡単に吹っ飛ぶ。
お、恐ろしい…。
流れていた涙はピタリと止まった。
そして久世玲人は、手首と口を押えている男を一瞥した。
無表情さがより一層恐ろしく感じられる。
その視線だけでビビッたのか、男は私を掴む手をパッと離した。
「ま、待て久世…、まだ何も…」
そう言い訳しながら後ずさりする男に、久世玲人は再び足を上げた。
視界に入れるのが恐くて思わず目を瞑ると、ドサッ!!と地面に倒れる音だけが聞こえてきた。
……久世玲人が何をしたのか容易に想像つく。