いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
そのままストンと久世玲人の膝上に座らされ、後ろからギュッと抱き締められた。

凄まじい密着度だけど、幸か不幸か、私の思考能力は強制終了したまま。

もう、久世玲人の思うままに動かされている。


目の前にまわる久世玲人の引き締まった腕が、離さないと言わんばかりに私の体を閉じ込めている。


普段の私なら、慌てふためきパニックに陥っているだろう。でも、今の私はすべての状況が分かっていない。


相変わらず何も抵抗しない私のことを、久世玲人もさして気にしていないようだ。


「砂がついてる」

そんなことを言いながら、片腕はしっかりと私を抱き締めたまま、髪の毛をサラサラと触れてきた。

その声は先ほどとは違い、何だかとても機嫌がよさそう。

パッと少し払うような仕草をしたあと、私の耳に髪をかけている。


そして、久世玲人は、露わになったその肌にまたもやチュッ…とキスをし始めた。


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