いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
頭の中がパニックになりながらも急いで玄関に向かうと、お母さんの言葉通り、久世玲人が立っている。

「よっ」

「よっ、て…。な、何で…?」

「迎えにきた」

「な、何で…?」

「行くぞ」

「な、何で…?」


会話がかみ合わない。

何で?という言葉しか出てこない私と、勝手に進める久世玲人。


ぼけっと突っ立っていると、後ろからお母さんが「仲良くやってんのねぇ~、ホホホ…」と娘の私より盛り上がっている。


「菜都、玲人君待ってるでしょ。早くしなさいよ」

そう言って私に鞄を押し付けながら、「いってらっしゃ~い♪」と私を送り出した。



お母さんに動かされるままに玄関を出たけど……。

な、何で久世玲人はここに来たの…?一緒に登校するの…?


「あ、あの、久世君…。何で…?」

疑問をぶつけると、久世玲人は私を見下ろしながら、当然だろ、と言わんばかりの顔を向けてきた。


「また変な奴に絡まれるかもしれねえだろ」

「え…?」

「今日から、朝も迎えに来る」

「ええっ…」


今日から迎えに来るって…。


じゃあ、これから毎日、久世玲人と一緒に登校するってこと…?


ひえぇぇぇ…




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