いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
佐山君、始動
あのあと久世玲人は、「マジで眠い…」と、教室ではなく屋上へ向かった。
お昼までサボって寝るらしい。
お昼休憩になったら屋上に来い、と言われた私は、久世玲人と別れ一人で教室に向かった。
教室に足を踏み入れると、いつもと変わらぬ賑やかな風景で、クラスメイトから「おはよう」と声をかけられる。
その挨拶を一つ一つ返しながら自分の席につくと、隣から「……おはよう、原田さん」と声がかけられた。
その声の主は、佐山君。
いつもの爽やかな挨拶とは違う、少し硬い声。
その声の調子に緊張が走る。
瞬時に昨日のことがよみがえり、2人の間に気まずい空気が流れている気がした。
そういえば、まだ大きな問題が残ってたな…。あんな場面を佐山君に見られて、誤魔化しようがないよ…。
恥ずかしさやら、情けなさやら、なんとも言えない感情が心を支配し、佐山君の顔をまともに見ることができない。
「お、おはよ…」
俯き加減で目を見ぬまま、挨拶だけ返した。
お昼までサボって寝るらしい。
お昼休憩になったら屋上に来い、と言われた私は、久世玲人と別れ一人で教室に向かった。
教室に足を踏み入れると、いつもと変わらぬ賑やかな風景で、クラスメイトから「おはよう」と声をかけられる。
その挨拶を一つ一つ返しながら自分の席につくと、隣から「……おはよう、原田さん」と声がかけられた。
その声の主は、佐山君。
いつもの爽やかな挨拶とは違う、少し硬い声。
その声の調子に緊張が走る。
瞬時に昨日のことがよみがえり、2人の間に気まずい空気が流れている気がした。
そういえば、まだ大きな問題が残ってたな…。あんな場面を佐山君に見られて、誤魔化しようがないよ…。
恥ずかしさやら、情けなさやら、なんとも言えない感情が心を支配し、佐山君の顔をまともに見ることができない。
「お、おはよ…」
俯き加減で目を見ぬまま、挨拶だけ返した。