いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
そして、この空気は一向に改善しないまま、午前の授業を終え、お昼休憩を迎えた。

いよいよだ…。き、緊張する…。

チラリと隣の佐山君に目を向ければ、静かに授業道具を片付けている。

あぁ…やだな…。気が重い…。


佐山君と話をするのは、普通だったら嬉しいはずなのに、こんなにも気が重いのは話の内容が分かっているから。


はぁぁ。

いろいろ、注意されるんだろうな…。


今日何度目かのため息を吐いたところで、片付け終えた佐山君が声を掛けてきた。


「……原田さん、視聴覚室で。……先、行ってるから」

「あ、……うん」

そう言って、佐山君は私を待たないで先に教室を出て行った。


一緒に行くのもイヤなんだろうか…。


ノロノロと私も授業道具を片付け、佐山君を追うように教室から出た。

< 268 / 446 >

この作品をシェア

pagetop