いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「あ、えーと…。爽やかで…、マジメで、……優しい人だなぁって思ったよ…?」

何を言わせるつもりだろうと思ったけど。

その当時、というか今でも思ってることを素直に述べると、佐山君は照れたように笑った。


「光栄だなぁ。そんな良く思ってくれて」

「あは…。うん、でも実際そうだし」

さっきの教室とは違う、いつもの柔らかい雰囲気に安心し、少し笑って返した。


良かった…。今は、いつもの佐山君だ…。


「俺はね?…原田さんのこと、とても落ち着いてる子だなぁって思った」

「あ、そうなんだ…」

「他の女子と違ってちっとも騒がないし、静かな子だなって」


まぁ確かに、私は騒ぐタイプじゃないし、できるだけ目立たないようにひっそりと暮らしていた。

穏やかな日常が何より好きだったし。

佐山君は直球で言わないけど、「地味」なんだと思う。




……でも、それが?

今後の保健室の話と、どう繋がっていくのだろう…?


ただの世間話…?嵐の前の静けさ、とかいうやつ…?


なかなか核心をつかない佐山君の会話に、だんだん怪訝に思い始めた。


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