いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
は、恥ずかしすぎて直視できないっ…!!

1人であわあわと焦っている私に久世玲人は、

「菜都、ずい分な反応だな。人を化けモンみてえに」

と、やはり不機嫌そうに言い放つ。


「ち、違っ…!!あの、そのっ…!!」

テンパッてしまって、久世玲人の顔もまだまともに見れない。

尋常じゃないほど赤面しながら慌てふためく私を見て、久世玲人は眉を寄せながら泰造に低い声で問う。


「……泰造、菜都に何した」

「何もしてねえよ」

「ウソつけ。菜都の様子がおかしい」

「……まぁ、ちょーっとお話ししてただけ?」

ニヤつきながら答える泰造を、久世玲人は鋭く見据えている。


「てめぇ、菜都に何を吹き込んだ」

「まぁまぁ、お前まで怒るなよ。ただの世間話だって」


決して世間話レベルの会話じゃなかったけど、これ以上深く追求されるわけにいかないので、私も慌ててブンブンと頷き、泰造に賛同した。


「世間話、ねぇ…」

そんな私たち2人を久世玲人は完全に疑いの眼差しで見てきたけど、追求してもムダだと悟ったのか、諦め気味に私に向いた。


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