いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「え…?どうするのって…」
「確かめたところで、久世の停学処分はもう下されてるわけだし、原田さんがどうにかできる問題じゃないかもしれない」
厳しくて現実的な佐山君の指摘はもっともだけど、それでも…
「何もできないかもしれないけど…でも、私を助けてくれたせいで、そのせいで停学なんて…」
「久世も納得して処分を受け入れてるんだし、原田さんが気に病むことはない。停学になるべき理由が、そこにはあったってことでしょ」
「そうかもしれないけど!でも、当事者の私が何も知らないで、久世君だけ罰を受けるなんて……。何も知らないまま、平気でいられないよ」
「久世が言わないってことは、原田さんも知らなくていいってことだよ。気にしすぎじゃないかな」
「そんなこと…!」
必死に私の想いを伝えるけど、佐山君はとても冷静に、私に言い聞かすように返してくる。
佐山君と、遠慮しないでこんなに言い合うのは初めてかもしれない。
「それに、ちゃんと謝りたいの…。停学になった久世君に呆れることしかできなかったから…」
切実な思いで伝える私を真っ直ぐ見ながら、佐山君はしばらく黙り込み、そして、小さくため息を吐いて立ち上がった。
「……ずるいな、久世は」
「え?」
突然吐かれた突拍子もない言葉に驚いて佐山君を見上げると、その顔は少し苦笑していた。
「原田さんにそこまで心配されて、ほんと、羨ましい」
「え、と…」
「久世なんて放っておけばいいって説得するつもりだったけど、……ムリそうだね」
そう諦め気味に呟きながら、佐山君は小さく笑った。
「確かめたところで、久世の停学処分はもう下されてるわけだし、原田さんがどうにかできる問題じゃないかもしれない」
厳しくて現実的な佐山君の指摘はもっともだけど、それでも…
「何もできないかもしれないけど…でも、私を助けてくれたせいで、そのせいで停学なんて…」
「久世も納得して処分を受け入れてるんだし、原田さんが気に病むことはない。停学になるべき理由が、そこにはあったってことでしょ」
「そうかもしれないけど!でも、当事者の私が何も知らないで、久世君だけ罰を受けるなんて……。何も知らないまま、平気でいられないよ」
「久世が言わないってことは、原田さんも知らなくていいってことだよ。気にしすぎじゃないかな」
「そんなこと…!」
必死に私の想いを伝えるけど、佐山君はとても冷静に、私に言い聞かすように返してくる。
佐山君と、遠慮しないでこんなに言い合うのは初めてかもしれない。
「それに、ちゃんと謝りたいの…。停学になった久世君に呆れることしかできなかったから…」
切実な思いで伝える私を真っ直ぐ見ながら、佐山君はしばらく黙り込み、そして、小さくため息を吐いて立ち上がった。
「……ずるいな、久世は」
「え?」
突然吐かれた突拍子もない言葉に驚いて佐山君を見上げると、その顔は少し苦笑していた。
「原田さんにそこまで心配されて、ほんと、羨ましい」
「え、と…」
「久世なんて放っておけばいいって説得するつもりだったけど、……ムリそうだね」
そう諦め気味に呟きながら、佐山君は小さく笑った。