いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「原田さん、これからどうするの?このまま保健室にいるの?」

いつもの優しい雰囲気に戻った佐山君に「えっと…」と戸惑ったけど、

「……久世君に確かめたい。会って、真相を聞きたい」

それが、今の私の正直な想いだ。


そうハッキリと伝えると、佐山君は「……そっか」と呟いた。


そして、再び私に向いてにっこりと笑う。


「ねぇ、やっぱり久世なんて放っておかない?」

「えっ!?」

「ごめんごめん、冗談。……でも、正直行かせたくないけど、このまま放っておけないのは原田さんの性分だって分かってたし」

「え、と…」

「……行ってきなよ、久世のところ」

「え、……いいの?」

「うーん、学級委員長としては、いいって言えないけど。でも、特別。先生には体調悪くなったから早退って言ってあげるよ」

「佐山君…」

「鞄、持ってきてあげる。教室、今ちょっと戻りにくいでしょ?」


そう言って、いつものように明るく振舞いながら、保健室から出て行こうとした。


「佐山君!ありがとう…本当に…」

「あ、言っとくけど、原田さんを諦めたわけじゃないから。貸しイチってことでよろしく」

「うん、……ありがとう」

去り際、いたずらに笑いながら言う佐山君に、ようやく笑顔を返すことができた。



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