いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
『いや、……ダメじゃねーけど…』

「……けど?」

何か都合悪いことでもあるんだろうか…。

あ…そうか。そりゃ、いきなり家に行きたいって言ったら誰でも困惑するよね…。結構散らかってるとか…?でも、気にしないけどな…。


「あの、ダメだったら玄関先でいいけど…」

『いや、そーじゃなくて……』

「…?何?」

『抑えられるかどうか…』

「おさえる?何を?」

『いや、こっちの問題』


歯切れの悪い久世玲人の言葉は、了承してくれてるのかどうかよく分からない。

どっちなんだ…?


「え、と…行ってもいいの?」

『いいけど……どうなっても知らねーから』

「…何が?」

『歯止め効かなくなったら、菜都のせいだから』

「は?」


……会話が噛み合わない…。

何か恐ろしいものでもいるんだろうか…。


久世玲人が何を言ってるのか分からないけど、どうやら了承してくれたってことでいいんだろう。


よし、じゃあ行こう!


その後、久世玲人から住所を書いたメールが届き、気合を入れながら足を進めた。

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