いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
その後も、「本当かよ」と問い詰められていたけど、逃げるように飲み物を買いに行き、どうにか適当にはぐらかすことができた。
別に白状したところで何もなかったと思うけど、なんとなく言いにくいし…。
これ以上聞かれませんように…と願いながら、2人分の飲み物を買って教室に戻ってくると、久世玲人はまだ窓からイベントの様子を眺めていた。
「……何見てるの?」
聞きながら隣に立つと、久世玲人は「ほら」とあごでステージの方を差した。
「あいつが出てる」
「あいつ?」
誰だろう、と見下ろすと、ステージにいたのは佐山君だった。少し照れくさそうに、居心地悪そうに立っているのが分かる。
その様子を、久世玲人は無表情のまま眺めていた。
「5位だってよ」
「そ、そう…」
相槌だけ返すと、久世玲人がこちらに視線を向けた。
「……気になるか?」
……どういう意味で聞いてるんだろう…。
その言葉の真意が分からないけど、佐山君のことはどうしても気にしてしまう。
まだ、微妙な関係のままだからだ。
告白も断りきれていないし、早く話をしないといけないって思うけど…。
黙り込んでいる私を、久世玲人がじっと見つめてきていた。
……何て答えよう…。
2人の間で沈黙が続くなか、賑わっている外の喧噪が、この静かな教室にまで響き渡っていた。
イベントの盛り上がりは最高潮。
『それでは、いよいよ第1位の発表です!!』
『栄えあるミスターの称号を獲得したのは――――』
『2年B組、久世玲人君っ!!』
名前が発表された瞬間、観客から女の子の歓声と盛大な拍手が沸き起こった。
…………。
このタイミングで…
別に白状したところで何もなかったと思うけど、なんとなく言いにくいし…。
これ以上聞かれませんように…と願いながら、2人分の飲み物を買って教室に戻ってくると、久世玲人はまだ窓からイベントの様子を眺めていた。
「……何見てるの?」
聞きながら隣に立つと、久世玲人は「ほら」とあごでステージの方を差した。
「あいつが出てる」
「あいつ?」
誰だろう、と見下ろすと、ステージにいたのは佐山君だった。少し照れくさそうに、居心地悪そうに立っているのが分かる。
その様子を、久世玲人は無表情のまま眺めていた。
「5位だってよ」
「そ、そう…」
相槌だけ返すと、久世玲人がこちらに視線を向けた。
「……気になるか?」
……どういう意味で聞いてるんだろう…。
その言葉の真意が分からないけど、佐山君のことはどうしても気にしてしまう。
まだ、微妙な関係のままだからだ。
告白も断りきれていないし、早く話をしないといけないって思うけど…。
黙り込んでいる私を、久世玲人がじっと見つめてきていた。
……何て答えよう…。
2人の間で沈黙が続くなか、賑わっている外の喧噪が、この静かな教室にまで響き渡っていた。
イベントの盛り上がりは最高潮。
『それでは、いよいよ第1位の発表です!!』
『栄えあるミスターの称号を獲得したのは――――』
『2年B組、久世玲人君っ!!』
名前が発表された瞬間、観客から女の子の歓声と盛大な拍手が沸き起こった。
…………。
このタイミングで…