いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
なっ…!!えっ……ええぇっ!?

今……今…呼ばれたっ!?

ビックリしすぎて唖然としていると、久世玲人も同じく唖然とした様子でステージを見下ろしていた。


『圏外からのランクイン!おめでとうございまーす!』

『急上昇した理由は、もちろん、アノ人がいるからですよねー』

楽しそうな司会の声が響いているなか、隣にいる久世玲人から「……オイ」と、とても低い声が発された。


「菜都、……どういうことだ?」

「し、知らないよっ!!」

まさか、自分がこのイベントに名を連ねるなんて、思いもしなかった。というか、想像すらしていない。

大体、こういうのにランキング入りする人は、美男美女で目立っている人だけだ。実際他のメンバーを見てもそうだし、まるで私だけが異物のよう。

な、何が起こってるのっ…!!

あまりにも非現実的すぎる出来事に一人パニックになっているけど、司会の声は無情にもまだまだ続く。


『えー、投票理由ですが、一番多かったのはやはり久世君絡みですね。“あの久世が離さないってことは、きっと色々とスゴいんだと思う”』

『意味深なコメントですねー』

『えー、その他には、“今まで気付かなかったけど、結構可愛い”』


恥ずかしすぎるコメントに耳まで真っ赤になっていると、久世玲人の機嫌はどんどん悪くなっていった。


「ふざけんじゃねえ…」

何に怒ってるのか知らないけど、その額にはピキピキと青筋が立っているように見えた。

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