いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「……ありがとう、佐山君」
うまく笑えたかどうか分からないけど、……きっと、佐山君の言う笑顔になってないと思うけど、精一杯の感謝の気持ちを込めて、佐山君に伝えた。
「本当に、ありがとう…」
「………」
もう一度伝えると、佐山君は何も言わず、そのまま俯いた。その表情は見えないけど、返事の代わりか、手の力がギュッと強まった。
―――長い、長い握手。
なかなか離れる様子もなく、引っ込めようとするけど強く握られたまま。
「……佐山君?」
「………」
「あ、あの…」
もう一度呼びかけようとしたその時、繋いでいる手をいきなりグッと強く引っ張られた。
ぅわっ…!
バランスを崩し、グラリと少しだけ前のめりになる。
何?
と、考える暇もなく、目の前には佐山君の顔。唇に何かが触れる感触。
一瞬で頭が真っ白になったと思ったら、次の瞬間には佐山君の腕に抱きこまれ、力強く抱き締められていた。
え……?
な、に……?
触れたのは一瞬だけ。でも、それがキスだということは紛れもない事実。
なんで、なんで……
呆然としている私を、佐山君はさらにギュッと抱き締めてきた。
うまく笑えたかどうか分からないけど、……きっと、佐山君の言う笑顔になってないと思うけど、精一杯の感謝の気持ちを込めて、佐山君に伝えた。
「本当に、ありがとう…」
「………」
もう一度伝えると、佐山君は何も言わず、そのまま俯いた。その表情は見えないけど、返事の代わりか、手の力がギュッと強まった。
―――長い、長い握手。
なかなか離れる様子もなく、引っ込めようとするけど強く握られたまま。
「……佐山君?」
「………」
「あ、あの…」
もう一度呼びかけようとしたその時、繋いでいる手をいきなりグッと強く引っ張られた。
ぅわっ…!
バランスを崩し、グラリと少しだけ前のめりになる。
何?
と、考える暇もなく、目の前には佐山君の顔。唇に何かが触れる感触。
一瞬で頭が真っ白になったと思ったら、次の瞬間には佐山君の腕に抱きこまれ、力強く抱き締められていた。
え……?
な、に……?
触れたのは一瞬だけ。でも、それがキスだということは紛れもない事実。
なんで、なんで……
呆然としている私を、佐山君はさらにギュッと抱き締めてきた。