いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
もの凄いことを言われたというのに、久世玲人が発した「アイツ」という言葉にとらわれた。
アイツって誰…?私が、選んだ…?
「誰っ…?何のこと…?」
「そこまで俺に言わせる気?」
「だってっ、分からないっ…」
分からない。
さっきからその言葉ばかりの私に、久世玲人はあきれたような息を吐く。
「別に、ごまかさなくていい。見たんだし」
「見たって…」
「だから…、―――あの日、菜都がキスしてたの」
「……キス…?」
キスって……
もしかしたら、とイヤな勘が働く。
キスと聞いて心当たりがあるのは……、思い出すのは、あの時……文化祭の時しかない。
………ということは、アイツって…、佐山君のこと…?
「アイツのことが好きだったんだろ?……まぁ、アイツも菜都に惚れてたしな」
まさか……
勘が、確信へと近付いていく。
まさか、あの時のことを見られてたのっ…!?
「み、み、見てたのっ…!?」
「見たっつったろ」
「ちょっ…ちょ、ちょっと待ってっ…!!ち、違うっ!!あれは違うっ!!」
ここでようやく、久世玲人の言っていたことが理解できはじめた。
アイツとは、間違いなく佐山君のことだ。
アイツって誰…?私が、選んだ…?
「誰っ…?何のこと…?」
「そこまで俺に言わせる気?」
「だってっ、分からないっ…」
分からない。
さっきからその言葉ばかりの私に、久世玲人はあきれたような息を吐く。
「別に、ごまかさなくていい。見たんだし」
「見たって…」
「だから…、―――あの日、菜都がキスしてたの」
「……キス…?」
キスって……
もしかしたら、とイヤな勘が働く。
キスと聞いて心当たりがあるのは……、思い出すのは、あの時……文化祭の時しかない。
………ということは、アイツって…、佐山君のこと…?
「アイツのことが好きだったんだろ?……まぁ、アイツも菜都に惚れてたしな」
まさか……
勘が、確信へと近付いていく。
まさか、あの時のことを見られてたのっ…!?
「み、み、見てたのっ…!?」
「見たっつったろ」
「ちょっ…ちょ、ちょっと待ってっ…!!ち、違うっ!!あれは違うっ!!」
ここでようやく、久世玲人の言っていたことが理解できはじめた。
アイツとは、間違いなく佐山君のことだ。