いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]

抜けられない檻

またこんな騒ぎを起こしてしまって…。クラス、いや、学校での私の立場がどんどん狭まっていく。


「あー…めんどくせ」

この前と同じく屋上に行き、久世玲人はしかめっ面をしながら呟いていた。


それ、私のセリフだよ…。

面倒なら、こんな茶番劇早く終わらせればいいのに…。



フェンスを背に、ドカッと座り込む久世玲人の前に立った。


「ねえ久世君…やっぱりムリがあると思うの…。私と久世君じゃ…」

「…ああ?」

「私じゃ、彼女、つとまらないよ…」


恐る恐るといった感じで、単刀直入に切り出した私を、久世玲人は座ったまま見上げている。



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