いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
しくしくと悲しみに暮れている私の様子なんて久世玲人はまるで気にしていないようだ。

「腹減った」と、もう次の話題へと移っている。


「なぁ、お前もう昼メシ食った?」

「えぇ食いましたよ…」


力なく返答していると、久世玲人は私の手をとり、何かを握らせた。


…なに?

手を開くと……お金だ。


「何ですか?」

「俺まだ食ってねえんだよ。何か買ってきて」


ええっ!?これって…!!

パ、パシリにされてる…!?

もしかして、私って「彼女」というより、下僕扱い!?


そんな考えが頭をよぎり、わなわなと怒りがこみ上げてくるが、「お断りっ!!」と言い返す根性は私にはなかった。

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