いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「あの…もう教室に戻ってもいいでしょうか?」

ほんとに早く帰りたい…。授業も始まるし…。

なにより、この輪になじめない。


「えー、なっちゃん帰っちゃうの?」

もうすでにみんなからはなっちゃん呼ばわりされている。馴れ馴れしいったらありゃしない。


「授業始まるから…」

「やっぱりマジメだねー!」

何がおかしいのか、ケラケラ笑いながら言う健司に視線を向けた。

私はからかわれてるんだろうか。


「じゃあ…」

と立ち上がり、屋上から出ようとする私に、久世玲人が声をかけた。


「菜都、1人で大丈夫か」


むしろ、あんたがいない方がいいわ!

と思いつつも、「…うん」とだけ答えて屋上をあとにした。


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