いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
久世玲人と別れ教室に戻ると、心配そうな顔をした佐山君が話し掛けてきた。


「原田さん!一体どこに…。いや、それより大丈夫だった?」


佐山君の顔を見るとホッとする…。

久世玲人とは違い、どこまでも優しい佐山君に癒されていると、「…原田さん?」ともう一度呼ばれた。


「あ…うん!大丈夫だよ、ありがとう」


慌てて笑顔を作って答えると、佐山君は少し言いにくそうな感じで口を開いた。


「あのさ、さっき久世のせいでちゃんと聞けなかったけど…」

「うん?」

「久世と、その…、付き合ってるのは本当…?」


じーっと私の目を見ながら、佐山君が聞いてきた。



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