いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
少しの間佐山君と話していると、教室に入ってきた担任に声をかけられた。


「原田!お前今日日直だったよな?春休みの課題配るからちょっと手伝え!」

「えぇー…。春休みって普通宿題ないんじゃないの?」

「ハッ。残念だったな、うちの学校はあるんだよ。職員室にとりにこい!」

「はぁい…」


ガックリと肩を落としながら先生のあとをついて歩いた。


「原田さん、手伝おうか?」

「あ、いいのいいの!大丈夫だから!」

やっぱり優しいなぁ、佐山君。

しかし、迷惑をかけるわけにいかないと、佐山君のありがたい申し出を断り、教室を出た。


この時の選択が、私の運命を大きく変えることになるとは思いもよらなかった。


今日が日直じゃなかったら、佐山君に手伝ってもらってたら、と何度思ったことか。
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