いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
教室が席替えでざわめくなか、久しぶりに佐山君と話しをしている。


ほんとに久しぶりだなぁ…。佐山君と言葉を交わすのは。


穏やかな会話に心が清められていると、佐山君は少し言いにくそうに口を開いた。


「あのさ…、久世と…どう?」

「…え?」

どう、っていうのは、やっぱり「彼女」としてってことだよね…?

でも、久世玲人とは何もないし…。

なんて答えればいいか分からず、「……普通だよ」と返した。


……普通って何だ。


自分の答えに若干呆れていると、佐山君は何か言いたげにジッと私の目を見つめてきた。

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