いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
よし…。

顔の傷口は全部消毒を済ませた。

「目、開けていいよ」

私の言葉に、久世玲人の目がゆっくりと開いた。


いつもの、切れ長で鋭い目が私を捉えている。



うゎ…。なんか、吸い込まれそう…。

すぐ目の前にあるせいで、その力強い瞳にとらわれてしまいそうだ。


「えっと…。あ、そうだ!絆創膏!」

慌てて視線をそらし、すぐ横にあった絆創膏の箱に手を伸ばした。


「目の上のとこ、結構傷が深いから、貼っとくね!」

ペリペリと紙を剥がし、動揺する心を落ち着かせながら再び顔を向けると、久世玲人はまだ私をジッと見つめていた。


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