いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「…な、何?」

「いや、別に」

そう言いながらも、久世玲人はジーッと私の目を見つめてくる。


…睨まれているわけでもなさそうだ。

久世玲人の無言の訴えが読み取れない。


「絆創膏貼るの、イヤ?」

格好悪いから、実は貼りたくないとか?


そんな私の問いも、久世玲人はフルフルと顔を振るだけだ。


イヤじゃないなら…。


「……じゃ、貼るね?」

何が言いたいのかよく分からないが、あまり深読みするのはやめよう。

大人しいうちに、ぺタッと絆創膏を貼った。

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