いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
顔の手当ては終わったから、今度は腕だ。

顔ほどではないけど、所々擦りむいている。そんなにヒドくないから、こっちは消毒だけでいいだろう。

大人しいままの久世玲人の手をとり、ペタペタと消毒をしていった。


「大丈夫?痛くない?」

「……あぁ」

こうして、されるがままになっている久世玲人を見てると、恐い人物であることを忘れてしまう。




「それにしても、派手にやっちゃったね」

たぶん、私なんて一生のうちでも、こんなに傷は作らないだろう。

手当てをしている腕をまじまじと見た。


「……ケンカ?」

一応聞いてみたけど、絶対ケンカだろうな。

手の甲にも殴ったような傷があり、赤くなっている。


< 95 / 446 >

この作品をシェア

pagetop