【COLORS②】ウィルスバスター 鬼の棲む街
「新太郎、次に行こう。早くしないとまたこの街みたいになっちゃう」

「そうだな」

申し遅れたが俺の名前は伊達新太郎(だてしんたろう)、歳は妃奈と同じ十七歳。
同じ歳というのは時として、やりにくいこともあったりする。
どっちが上とか下とかはないけど、今のところどうみても……

「あ、そう言えば塩ちゃんがさっき鬼を見つけたって」

「マジ!?お前なぁ〜そういう重要なことは早く言えよ」

「……やっぱり」

彼女は何かを言いかけてため息をついた。
そのため息が呆れているようにも伺える。

「なっ、なんだよ」

「……見てないわね、メール」

メール……!?

「塩ちゃんが言ってたでしょ、緊急な情報が入ったら社内メールするって」

あ、あ──そう言えば……

社内メールとは俺たち一人一人に与えられた携帯端末からしか見えない、セキュリティばっちりのメール機能を用いた連絡手段。
電話だといつ誰に盗聴されているか分からないため、メールを利用しているんだ。

「……ごめん、すっかり忘れてた」

「──ったく」

俺より彼女の方がしっかりしているのは真実だったりする。
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